石垣島米原海岸での遊漁備忘録 -20181115

西表石垣国立公園の海域公園区域
西表石垣国立公園の海域公園区域(西表石垣国立公園Webサイトより引用)

米原でのいわゆる「密猟(違法漁業)」について沖縄県八重山支庁農林水産整備課、環境省石垣自然保護官事務所と石垣海上保安部から説明を聞きましたので備忘録とします。

はじめに〜

「条例が変わったからここで魚を採ったら違法だ」
「ここでは貝を採ったらいけないんだ」とか、
「竿釣りはいいけど網はどれも駄目」
「水中銃はもちろん禁止だけどやす(もり)でもゴム付はいけない」などの
さまざまないわゆる米原伝説が、これまでまことしやかに聞こえてきていました。しかも地元の人から言われるとある意味信用してしまうわけですが、ただ、ヘェ〜そうなんだくらいにしか思っていませんでした。
というのも、自分は釣りはやらず魚をとるのは専ら潜って「撮る」方なのであまり関心がなかったからです。

しかし、やはり米原ビーチでは禁止されているニモなど熱帯魚やシャコガイなど貝類を泥棒する人たちの存在は許せるはずもなく、かと言って正しい漁業ルールを知らずに彼らに注意をするわけにもいかず、苦々しく見てきたのも事実です。

釣りはやらないと言っても、スキンダイビングをしていると色づきのいい魚を見るとタモ網などですくいたくなる衝動があるのも事実で、そろそろ実際の法的なルールはどうなのかを知る必要にかられ、米原での遊漁ルールの疑問点などについて、沖縄県八重山支庁農林水産整備課を訪ねお話を伺ってきました。
また環境省石垣自然保護官事務所と石垣海上保安部からも詳しい説明を聞き簡単にまとめてみましたのでご参考にしてもらえればと思います。

あくまで、石垣島米原海岸での遊漁について書いていますが、国立公園の付帯ルール以外は沖縄県全域にあてはまります。

米原海岸での遊漁を楽しむために知っておくべきルールは次の3つの法律・条例に基づいています。

  • 国が定める「漁業法
  • 沖縄県が定める「漁業調整規則
  • 国立公園の「海域公園地区」を保護するために国が定める「自然公園法

違反すると最高で「罰金200万円又は3年の懲役」になることもあります!

米原海岸の特殊性

それは、米原海岸は西表石垣国立公園の海域公園区域に指定されていることです。

「海域公園地区」と「普通地域」の存在

(地図:西表石垣国立公園Webサイトより引用)

国立公園に指定されている海には普通地域と海域公園区域があり、 海域公園区域では環境大臣が指定した熱帯魚、サンゴなどの捕獲、損傷、殺傷が禁止されています。

例えばニモは米原海岸では採ると罰せられますが、筆者の住む宮良海岸は普通地域なので問題ありません。

沖縄県漁業調整規則で定められている遊漁で使用できる漁具・漁法(海面のみ)

許可されているもの

素手(くまでやスコップは使用可)
釣り(集魚灯は禁止)」
たも網」や「さで網」、「投網(船の使用を除く)」
素潜り(シュノーケリングを含む)」
やす、は具(突き刺さる部分が手元から離れないもの。発射装置を有するものは禁止。突き刺さる部分が手元から離れるものは、「もり」となり水中銃同様に禁止)

一般の人にも許可されているもの
一般の人にも許可されているもの
(画像:沖縄県農林水産部水産課Webサイトより引用)

使用禁止漁具

カニカゴ
刺網など(全ての網漁具)
水中銃
潜水器具(スキューバ)」

一般の人が使ってはいけないもの
一般の人が使ってはいけないもの
(画像:沖縄県漁業協同組合連合会Webサイトより引用)

漁業法で捕獲等が規制されている動物

沖縄県全域で一般の人も、漁業者も採ってはいけないもの

造礁サンゴ類」「ウミガメ類とその卵

沖縄県全域で一般の人が採ってはいけないもの

しゃこがい類」(ヒメジャコ、ヒレジャコ、ヒレナシジャコ、シャゴウ、シラナミ)

いせえび類」(ギンタカハマ(ヒロセガイ)、ヤコウガイ、サラサバテイ(タカセガイ)、チョウセンサザエ、シラヒゲウニ)

「その他、漁業法で定められた〈第一種共同漁業権〉の対象になる貝藻類」

藻類(もずく、こんぶ、わかめ、てんぐさ)

貝類(あわび、とこぶし、さざえ、あさり、いわがき)

農林水産大臣の指定する定着性動物(たこ、なまこ、えぼしがい、かめのて、ほや、うに、ひとで、かしぱん、いそぎんちゃく、かいめん、餌むし、うみほおづき、ほっかいえび、しらえび、しゃみせんがい、ことむし、しおむし)

一般の人も、漁業者も取ってはいけないもの
一般の人も、漁業者も取ってはいけないもの
(画像:沖縄県漁業協同組合連合会Webサイトより引用)
取らないでください!漁業者からのお願いです!
取らないでください!漁業者からのお願いです!
(画像:沖縄県漁業協同組合連合会Webサイトより引用)
漁業者であっても、取ることができないルール
漁業者であっても、取ることができないルール
(画像:沖縄県漁業協同組合連合会Webサイトより引用)

自然公園法の定めで、西表石垣国立公園海域公園区域では一般の人も、漁業者も採ってはいけない生物

熱帯魚、サンゴ、イソギンチャク、甲殻類、貝類
↑↑クリックするとPDFファイルで種類を詳しく見れます。画像表示は以下。

海域公園地区内において捕獲等が規制されている魚類
海域公園地区内において捕獲等が規制されている魚類
(画像:環境省那覇自然環境事務所Webサイトより引用)
海域公園地区内において捕獲等が規制されている魚類以外の生物
海域公園地区内において捕獲等が規制されている魚類以外の生物
(画像:環境省那覇自然環境事務所Webサイトより引用)

特に注意すべきポイント

米原海岸での遊漁は...

  • 一般魚のみ捕獲OK
  • たも網、さで網、投網(船を除く)以外の網漁具は禁止
  • やすは身体から離れない使い方ならOK。離れるともり扱いでNG!

問題点

例えば、スカリ代わりに発泡スチロール箱をロープで引きながらシュノーケリングをして、何かを採っている人がいた場合、ニモやシャコガイを採っていても「たも網で一般魚捕まえているだけだ」と言われればそれまでなんですな。

解決策提起

欧米のリゾートのように自然を守るための捜査権と逮捕権のあるレンジャーを置くか、それが無理なら、いっそのこと魚も釣竿以外では捕獲禁止にすれば良いのでは?

密猟者!?石垣島米原ビーチで発見
密猟者!?石垣島米原ビーチで発見

【画像の引用先及び参考とさせて頂いたWebサイト】

追記:ニモが盗まれました - 2018.11.15

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